2006年12月12日 (火)

クリスマスと春節

今回は6カ国協議の日程調整の中で気付いた、文化的な考察です(えらそう)。

6カ国協議の再開が今月18日から23日ぐらいまでと決まる前、マスコミが日程を推測する際のキーワードは

「クリスマス」でした。

「アメリカはクリスマスには協議をしない。だからその前の12月中旬再開だ」

「中旬はもう時間的に無理だろう。なら、クリスマスはあり得ないから、来年開催だ」

「とにかくクリスマスは……」

クリスマスって、あくまでキリスト教の宗教行事ですよね。

でも、誰もが「アメリカは絶対、クリスマスに仕事をしない」という前提を受け入れて、話をしているのです。

欧米諸国同士の行事ならまだしも、6カ国協議でキリスト教圏は米国とロシアだけ(しかもロシア正教のクリスマスは1月7日)。

韓国もキリスト教徒が多いといっても、議長国の中国や当事者の北朝鮮、おまけに日本はほとんど関係ない。

なのに「12月下旬のクリスマスの前後は避ける」というのが実際、各国政府のコンセンサスになっているのだから、これぞ米国の力と言えるのでしょうか。

冒頭の日程の推理の続きに戻ります。

「6カ国協議の再開が来年にずれこむとすると、いつごろだろう」

「中国は春節(旧正月)には協議をしない。だから1月中だ」

「確かに2月の春節の後では遅すぎるからな」

「とにかく春節は……」

春節って、あくまで中国一国の伝統習慣ですよね。

でも、誰もが「中国は絶対、春節に仕事をしない」という前提を受け入れて、話をしているのです。

核問題をめぐる国際協議をするというのに、自国の習慣を優先させる。

しかも各国政府のコンセンサスになっているだのから、これぞ中国の力と言えるのでしょうか。

さて、では日本が同じようなことを主張したら、どうなるのでしょう。

例えば八月。日本側が各国に

「あのー、今度の6カ国協議は『お盆』の時期は避けてほしいのですが…」

と切り出したら、きっと

「ホワッツ・オボーン?」

と驚かれ、

「自分の都合だけで言うな、ジャップが」

「そうだ、この小日本め」

などと袋だたきにされるのではないでしょうか。

悲しい話です。

ただ、これは国力だけの話じゃないかもしれませんね。

アメリカ人にとってクリスマスは、何ものにも代え難い、家族の絆を確かめ合う、一年で最も重要な日と聞きます。

中国人にとって春節は「民族大移動」とも言われ、駅前広場で徹夜して切符を手に入れ、遠く離れた一族が再会する時です。

だからこそ、「この時期だけは仕事を避けたい」という思いにも説得力があるのでしょう。

果たして、日本の今のお盆や正月が、そのような重要な日となっているでしょうか。

「国力」以上にもっと大事なもので、日本は差をつけられているのかもしれません。

これこそ、本当に悲しい話ですね。

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2006年11月 3日 (金)

中国人は礼儀知らず?

「食事をおごっても、中国人はお礼も言わない。あれは何だろうね」

北京で日本人同士が話をすると、たまにこんな話題になります。

私も覚えがあります。

取材相手の中国人に夕食をごちそうし、スナックでおごっても「本当にありがとうございます」なんて感謝された経験は少ないですね。

 「それはどうも」程度か、特に何も言葉なし、というケースが多い。

「中国は礼儀の国じゃないの?」

中国の知人にずばり尋ねてみると、

「中国では、あまり言葉で感謝を表現しない。次の機会におごり返すなど、行動で表す」とのこと。

なるほど。

「逆に日本人みたいに『どーも、どーも』『本当にすいませんねー』『いやー、まったく』なんて言葉を繰り返されると、(この人は言葉だけで済まして、お返しをしない気では?)と疑ってしまうよ」とも。

  うーむ。そんな考えとは。

そう言えば、日ごろの挨拶でも同じ事を感じます。

日本では初対面なら「どうも初めまして」「どうかよろしくお願いします」「お噂は聞いてます」とかいろいろ言葉を並べ、

帰りの際も「お世話になりました」「申し訳ありませんが、お先に失礼してすみません」などとドアを閉めるまでお辞儀しながらその場を去るなんてことがありますよね。

 でも、中国では、初対面では「ニーハオ」と握手する程度、帰りは「ツァイチェン」と言ってサッと別れます。

 長年中国に住む日本人も「こんにちは」「じゃあね」とカラッと中国化しています。

私も最近はこの雰囲気に慣れてきました。

もしかしたら、こっちの方がグローバルスタンダードに近いのかもしれません。

 

もちろん、相手に繰り返し言葉をかけるのは日本の「思いやり文化」なんだから、世界的に少数派だとしても変える必要はないと思います。

ただ、「あんまり言葉だけで言われると…」という中国の友人のセリフは、何か心に残りますね。

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2006年9月30日 (土)

帰国子女はペラペラ?

皆さんの知り合いが子どもの頃、外国に住んでいたことがあると知ったとき、こう言ったことはありませんか?

「じゃあ、言葉はペラペラですね?」

相手の反応はどうでしょう。

 「全然、そんなことないよ!」と強く打ち消すか 「いやあ、もう忘れちゃったよ」とやんわり否定するかどちらかが多いのではないでしょうか。

 実際、中国で働く人の子どもを見ると、中国語がペラペラになる環境にいる人は少ないようです。外国人専門のマンションに住み、日本人学校に通い、友達も日本人という暮らしでは、なかなか覚えません。私が日本にいる時、中国で3年間暮らしたという小学生と話したことがあります。彼は「僕、中国語知ってるよ。こんにちはってニーハオって言うんだよ。さよならはね、えーと何だっけ?(再見-ツァイチェン-ですね)」と言っていました。

 中国人のアイさん(家政婦さん)に子どもの面倒を見てもらっている家庭では、小学生前の幼児ならスルスルとアイさんの言葉を覚えますが、それだけだと帰国後はスルスルと頭から抜けていってしまうようです。

 親が永住する覚悟で外国に行けば、子どもを現地の学校に行かせるでしょうが、数年でいずれ帰国するサラリーマン家庭なら、子どもを日本人学校に行かせるのは仕方ないことです。外国人向けマンションでないと、生活もまだまだ不便ですし。

 それでも、外国で言葉を覚える子どももいますね。聞いてみると、サッカーチームとか囲碁教室とか、現地の子どもと触れ合う趣味を持っているようです。だいたい、親が現地に溶け込もうとしている家庭の子どもがそういうタイプです。「花を大切にするような子どもに育てたければ、まず親が花を大切にすべし」という言葉を聞いた事があります。やはり子どもの教育は、親の姿勢次第ということですね。

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