19日から中国最大の自動車ショー、北京国際モーターショーが始まりました。
2年に1回開かれ、9回目の今年は20カ国から過去最高の1500社が参加。
27日までに約55万人が来場する見通しです。
1990年代まで、先進国からこのモーターショーは軽視されてました。
「中国政府相手の公用車市場は結構大きいけど、庶民なんて俺たちの車買う金ねーじゃん。一般ピープル(古い)相手のショーなんていらねーよ」ってな感じです。
ところが、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した後の2002年(第7回)から
「中国のダンナ、お願いします。うちの新車、見てやってください」
と各社の姿勢が変わってきました。
「毎年さ、販売台数がグングン間違いなく増えるんだ。しかもね、初めて車を買う人がほとんどなんだよ。こんな市場、世界に他にないよ。インドはまだまだだしさ」
日産の現地法人幹部がそう話してくれました。
「逆に言えば、中国で取りこぼしたら、その社は生き残れないってことだけどね」
なるほど。
実際、日本企業は力を入れています。
報道陣向けに会場が公開された18日、トヨタは海外向けの新型セダン「カローラ」を初公開しました。(下の写真)
世界の中でまず中国です。
エンジンや車体サイズなど、設計段階から中国人の好みを取り入れて造ったそうです。
稲葉副社長は「中国人のために造った車と言ってもいい」とまで言いました。
日産も他市場に先駆けて中国で販売を始めたミニバン「ジェニス」を展示。
三菱は来年1月から中国で販売するスポーツ用多目的車「アウトランダーEX」を展示。ホンダは2007年型「オデッセイ」を初公開しました。
マツダは新しいものはコンセプトカーの展示だけでしたが、「近く中国国内にデザインセンターを作り、中国人向けの車を作っていきたい」と発表してました。
中国の今年の自動車販売台数は700万台に達し、日本を抜き、米国に次ぐ世界第二位の市場となる見込みです。
「2010年には1000万台になる。2020年には2000万台」
とも言われています。
ただ、日本企業で最初に中国へ進出したホンダの本社幹部は「それは怪しい」と話してくれました。
「今の中国は2008年の北京五輪、2010年の上海万博に向けて成長している。目標を設けてそれに突っ走るタイプの経済成長は、必ず失速する。東京、ソウル、メキシコはいずれも五輪が終わった後、経済が停滞した」
ふむふむ。
「だから今は各社とも増産に走っているが、中国経済に反動が起きてどれだけ『ぶれ』があるか見極め、態勢を整えておくかで、各社の経営に大きな差が出るだろうね」
先行きは明るいようで、油断は禁物ということですね。
ところで今回、中国メーカーの奇瑞汽車が中国企業として初めて、ハイブリッド車のコンセプトカーを出展しました。
下の写真。ボンネットを外して、エンジンが見えるようにしています。
中国は経済成長が進む一方で環境汚染や資源不足の問題に悩んでおり、政府の強い支援を受けて開発してきました。
「中国企業が自力で作った。1年以内の販売を目指す」と意気盛んです。
ただ、日本人ジャーナリストの間には「あれはプリウスの技術をぱくったんじゃないか?」という声もあります。
知っている人も多いでしょうが、中国は先進メーカーのコピー商品を堂々と販売してます。
今回のショーでも「日米欧の乗用車と同じ金型で作ったんでは?」と思えるようなエンジンを搭載した車が中国の「自社ブランド」として展示されています。
二輪バイクを中心にコピーされまくっているホンダは、中国メーカー相手に知的所有権、商標権侵害の訴訟を55件も起こしているそうです。
また、トヨタの現地幹部はこう話してました。
「車はすごい勢いで増えているけど、市民のマナーは変わらないままなんだよね。車は運転が荒い、人も信号無視。環境を守ろうという意識も薄い。だから日本各社ともハイブリッドカーを投入しづらいんだよね。ハイブリッドって言っても、ただの『割高な車』としか思ってくれないでしょ。うちはレクサス投入してるけど、あれは最初から富裕層狙いの高級車だから」
ふむふむ。
「売れるのはいいけど、わが社の車で事故がばんばん起きて、空気をどんどん汚すって考えると、責任感じちゃうよ」
自動車メーカーの背負う宿命、というところでしょうか。
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