2007年1月14日 (日)

中国もやっぱ格差社会

Img_0016  昨年末、中国ではインターネットで次の写真が出回りました。

 リッチな母親に見守られ、靴を磨いてもらう子ども。靴を磨くのは、同じ年頃の子どもを背負った貧しそうな女性…。

  「これが今の中国の実態だ」と、中国の貧富の格差をたった一枚で表した写真です

地元有力紙、中国青年報が20-30歳代の若者1万人に世論調査したところ、89%が「貧富の差が深刻になっている」と回答しています。

どういう階層で格差があるかを尋ねると「権力を持っている者と持たざる者」「経営者と労働者」「沿海地区と内陸部」という内容です。

中国国家統計局のデータでも、10%の最富裕層が国内の富の45%を握っているそうです。

これってもう、普通の資本主義国と同じ問題点ですよね。

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そんなわけで胡錦濤さんはいま必死に「和階社会」(階は本当はゴンベン)というスローガンを唱えています。「バランスが取れた社会」という意味です。

前の指導者のトウ小平さんや江沢民さんは「先富論」(みんな一緒じゃなくても、豊かになれるやつからどんどん豊かになりゃいい)を掲げてきましたが、格差があまりに進んできたので、みんながみんな「小康」(そこそこ)の暮らしができる社会をつくろうというのが「和階社会」です。

もともとそれが社会主義の理念なのに、何をいまさらという気もしますが…。

胡錦濤さんもきれい事で言っているわけじゃなく、尻に火がついているのでマジに「和階社会の実現を!」と言っています。

というのは、中国ではいま毎年、当局が認めているだけで8万件の「プチ暴動」が起きているのです。

土地がほしい企業と結託した腐敗地方政府の立ち退き要求に住民が反対運動を起こしたり、公害で苦しむ農民が抗議活動をして警察官と衝突するなどの動きがあちこちで起きているのです。

最近は携帯電話のショートメールで「うちの町ではこんなことが起きている」と横の連絡も取りやすくなりました。

プチ暴動がいつ大規模な反乱になってもおかしくないのです。

そんなわけで胡錦濤さんは、「年貢」にあたる農業税を、中国四千年の歴史で初めて廃止にしたり、いろいろな優遇措置をして、農村の貧困を解消しようと努力しています。

また、人民解放軍の兵士は大半が農村の出身なので、軍隊が反乱民衆と組んだらマジでヤバイという心配もあります。 

 日本で戦前、陸軍の一部が反乱を起こす「2・26事件」がありましたが、それも東北地方出身の兵士が地元の農民が貧困に苦しむ姿に我慢できず決起したのが一因でした。

 人民解放軍兵士の給料は10年前は100元(1500円)程度でした(衣食住は別途支給)が、最近は2000元ぐらいに大幅アップしています。これも兵士の不満をなくすための措置です。

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 それでも、トウ小平さんや江沢民さんが放った「格差OK」という火は山火事のようになっており、胡錦濤さんがバケツの水で消火しようとしてもとても消えそうにありません。

 昔の天安門事件のように、学生や知識人が民主化を求めて動き出すという理念型の運動は起きそうにありませんが、生活や生命にかかわるせっぱつまった行動、暴動は今年も各地で起きることが予想されます。13億の民を満足させることは難しい…。

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2007年1月 8日 (月)

温さんも来なさい、胡さんも来なさい(水戸黄門風)

あけましておめでとうございます。

年末年始は私用でばたばたしまして、全然ブログを更新できませんでした。チェックしていただいた方、申し訳ありません。6カ国協議シリーズ最終回(日本の立場編)も書く予定ができませんでした。これは次の機会に。

 

 今年もまた、分かりやすくて面白く、本音ベースの中国リポートを目指していきますので、よろしく。

 さて、それでは新年ということで、2007年の日中関係に関するキーワードを、思いつくまま、できるかぎりめんどくさい言葉は抜きにして述べていきたいと思います。

パート1は「温首相・胡主席来日」です。

 昨年10月、安倍首相が中国を訪問しました。今度は中国首脳が日本を訪れる番ということで、日本政府側は「ねえねえ、早く来てよ」とせっついています。

 安倍政権は造反議員の復党を許したことや政治資金をめぐる不祥事で大臣が辞任したりで、支持率が落ちています。ここで中国の首脳が来日すれば「小泉さんがぶち壊した日中関係改善をまた一歩前進!」とアピールできるわけです。

 中国ナンバーツーの温家宝首相は3月下旬ごろに来日する線で話は進んでいます。日本側はさらにナンバーワンの胡錦濤国家主席も秋に呼びたいと言っています。

 中国も「喜んで!」と居酒屋の店員のように応じたいのですが、一番のネックは靖国問題です。

「またかよ。もういいかげんにしてよ」

というブログ読者の声も聞こえてきそうです。

 安倍さんは「靖国神社に参拝するともしないとも言わない」という「あいまい戦術」を取っています。

 「首相になっても靖国神社は参拝する」と言い続けてきたはいいけど、安倍さんもばかではないので、参拝したら日中関係はシャレにならない事態になることも分かってます。紅白歌合戦でDJ OZMAの裸のボディースーツの演出騒ぎどころでは済みません(ああ、またテレビネタを)。

そこで、一国の首相が「行くか行かないかは、なーいしょ」と説明責任を放棄するというアクロバットなワザを編み出したわけです。

 しかし、中国側は「もし安倍が靖国に行ったらどうしよう?」という不安がぬぐいきれないのです。

 胡錦濤主席は、本音の部分では「靖国神社問題なんてもう過去の話として終わりにしたい。もっと互いがもうかる話を進めていこうよ」と思っています(直接聞いたわけじゃないですけどね)

でも、胡主席が日本に訪問した後に安倍首相が靖国参拝したらメンツは丸つぶれで、中国内部での政治的立場が悪化します。DJ OZMAどころの…もういいか。とにかくそれは避けたい。

だから、温首相は訪日しても、ナンバーワンの胡主席の訪日は難しいようです。2008年は日本でサミットがあり、中国は最近はサミットにオブザーバーで参加しているので、07年は温首相の来日だけで済ませて、サミットに参加する形で胡主席も訪日する、ということでお茶を濁すのではないでしょうか。

 現状を客観的に見て、日中関係を壊さないためには安倍さんは不本意でも首相として靖国参拝を自重することが正解だと思います。

ただ、首相担当の記者に聞くと、安倍さんは「優柔不断なおぼっちゃん」と思われているのを意外にかなり意識しているそうです。

「年に一回は靖国参拝をする」という脳内ノルマも持ち続けているそうなので、もしかしたら「ボクだって、やる時はやるんだずぉ~」と突然、靖国参拝をする可能性はあるそうです。

裸のボディースーツは直接は誰かに迷惑をかけませんが、首相の行動は多くの人に迷惑をもたらす可能性があるので、判断を誤らないことを祈ります。

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